岩崎宏美のデビューは昭和50年だったと思う。ファンの割に曖昧だが、まあ、その程度のファンではあるが・・・
デビュー曲の「二重唱（ヂュエット）」はまあまあのヒット、二曲目の「ロマンス」がオリコン第1位になった。その後、しばらく出す曲、出す曲が1位を獲得して一躍スターになった。
歌も上手いし、筒見京平の曲もよかった。

私が岩崎宏美を好きになったのは、初めは「見た目」。ちょっと太めのおとなしそうな女の子だった（これこそ私の求める理想像なのだ）。三姉妹で成城学園に通うというお嬢様の雰囲気もあった。出身が下町の深川というのも親近感を覚えた。その後、ファンレターを出すほど好きになったのは、テレビで全盛の音楽番組のエンディングで常に周囲の後ろに立って、でしゃばろうとしない姿勢にある。若いアイドルばかり出演する音楽番組でも決して前面にでしゃばらない、そこが偉い。

秋に出たファーストアルバム「あおぞら」は今も所蔵している。
そしてファーストコンサートが10月18日、芝の郵便貯金ホールで開かれた。今と違って、コンサート情報を得ることも難しかった。間際で知ったのだろう。私は友人のＫ（門司出身の奴）と当日券を求めて並んだ。ところが、並んでいるのはほぼ全員が高校生の男子。かたや大学3年生。傍から見れば同じようなものだろうが、当人にとっては恥ずかしくて、とても並べなかった。
その後、彼女は順調に売れてスターの仲間入りをしたが、謙虚な姿勢は変わらなかった。
私はひっそりとファンであり続けた。

このたび、永年の念願叶ってコンサートに出かけた。38年目にして聴く生歌だ。

１０月26日(土）の東京国際フォーラム（ホールＣ）は満員でした。チケットを買うのが遅かったのか、座席は3階席で、肉眼では顔は見えなかった。
入場してＣＤ類を売るテーブルで「お買い上げの方は、終了後、握手会に参加出来ます」というアナウンスが耳に。これは最初で最後の機会だろうと、早速ＣＤを買った。コンサート中も握手の際になんと言おうか、ずっと考えていた。

さてコンサートが始まった。いや、直前、ファンらしい人物が客席最前列でこう叫んだ。
「我々は親衛隊です。懐かしいヒットメドレーの時だけ、応援の声をかけさせて頂きます。ちょっと騒がしいですがお許しください。ぜひ皆さんもご一緒に応援して楽しんでください」と。
リーダーらしきその人物が頭を下げると同時に、一斉に親衛隊が立ちあがって後方に向かってお辞儀をした。白いＴシャツに鉢巻き姿、その数100人以上だろう。全員が5列目までに集中していた。
私は驚きもしたが、羨ましくもあった。純粋にファンとして長い間応援するというのも、素晴らしいことだと。一生の多くの時間を捧げて応援すｔるのだ。そこに没頭出来るというのは素晴らしいことだ。私もその一員に加えて貰えるなら加わりたい。でも、無理だな。他にも趣味が多すぎて・・・。

コンサートは16時45分開演、前半1時間、休憩15分を挟み、後半も1時間＋アンコール2曲、さらにもう1曲。
最後のマイクなしの歌が凄い。「月見草」という静かな曲だ。2000人のお客はシーンとして聴き入った。息遣いも聞き洩らさぬように。これが、岩崎宏美の魅力だ。
数年前には音楽の都・プラハに招かれて歌っている。もっと前には、フルオーケストラをバックに全てマイク無しでコンサートを開いたこともあった。
アイドルではなく、本当の歌い手なのだ。

彼女の人生もいろいろ波があったようだ。詳しくは知らないが、つい数ヶ月前に「長い裁判の末に、子どもの親権を得た」という新聞記事があったのを覚えている。よく、歌手やスポーツ選手が『皆さんに元気を届けたい』と言うが、今回は逆だ。
「宏美ちゃん、頑張ってね」とファンからエールを送りたい。
いいことばっかりの人生ではなかったようだが、だからこそ、これからいい味が出る。
もっともっと大人の歌が歌えるようになる筈だ。これからも密かに応援していこう。

昔からファンだった証拠・その1

昭和50年秋に発売されたファーストアルバム
今も所蔵している

おでこを見せている写真は珍しい

なぜか「お・も・て・な・し」と読んでしまいそう（笑）

昔からファンだった証拠・その2

デビューして翌年かな・・・発売された写真集

もちろん、今でも持ってます

←写真集の中で一番のお気に入り

何度見ても、太めで性格良さそう

だけど、なんで「麻雀」の看板なんだ・・・

終演後、握手会に並んだ。その行列は300人くらいだろうか。なかなか始まらない。彼女は化粧直ししてるのかな。私はＣＤを購入したが、ＤＶＤ購入者にはサインもするという。これは大変だ。1時間以上かかりそう。
終演が19時過ぎに終わったが、19時30分の時点でまだ握手会が始まらない。

実は、翌日のゴルフ用にズボンを買って、丈詰めを頼んであるが、その店の営業が20時30分までなのだ。
握手の際になんて言葉を掛けようかさんざん迷っていたのだが、結局、断念した。彼女と握手するチャンスを諦めることにした。
いつかまたチャンスが来るさ。

この国際フォーラムでのコンサートは毎年10月にやってるらしい。次回はもっと早く予約して1階席を、それにオペラグラスも買わなくちゃ。
これからも密かにファンを続けます。

昔からファンだった証拠・その3

←今も持っているシングル盤

38年前の宏美ちゃん

↓そして、最近の宏美ちゃん！（握手会のために買ったＣＤ）